ふるさと納税という制度があります。
税金を前払いすることで、
実質負担を抑えながら返礼品がもらえる仕組みです。
来年必ず納める税金を、少し早く支払うだけで、
生活に便利な日用品や、
その地域の特産品を受け取ることができます。
返礼品の価値を考えれば、
日本人労働者が使える、
とても優れた制度のひとつだと思います。
しかし、私は大学を卒業して働き始めて数年間、
この制度をうまく使うことができませんでした。
理由は単純で、
先に支払うお金がなかったからです。
お得な制度であることは分かっていました。
それでも、選ぶことができなかった。
あの頃の私は、
「お金がないと損をする」と思っていました。
今話題の残価設定ローンや、
1円スマホといった仕組みも、
どこか似た構造を持っていると感じています。
お金がないけれど車が欲しい。
だから残価設定ローンで購入する。
お金がないけれどスマホが欲しい。
だから1円スマホを契約する。
その売り文句は、
誰でも惹かれてしまいそうな甘い言葉です。
「貯金がなくても、憧れの車に乗れる」
「最新の機種を持てる」
とても魅力的に見えます。
しかし、企業も民間である以上、
そこには必ず利益が生まれる仕組みがあります。
一見お得に見えるものも、
利息や利用料といった形で、
長い時間をかけて支払う構造になっています。
そしてもうひとつ、
この仕組みには特徴があります。
それは、
『続けざるを得ない構造』
になっているということです。
例えば、
返却時に差額が発生した場合。
本来であればそこで精算して終わりますが、
手元に余裕がなければ、
そのまま新しい契約へ移行する、
という選択になりやすい。
結果として、
同じような契約を繰り返す形になっていきます。
この構造は、余裕がある人にとっては、
問題になりにくいものですが、
余裕がない状態だと、
抜け出しにくい流れになりやすいです。
私は、貧乏だから貯金がないのだと
思っていました。
でも本当は、
『貯金が無いから貧乏なのだ』
と気づきました。
貯金がないと選択肢が狭まる。
そして、狭まった中から選ぶことで、
さらに余裕がなくなっていく。
そんな流れがあるのだと思いました。
貯金は、増やすためだけのものではありません。
選択肢を持つためのものでもある。
そう考えるようになってから、
お金の見方が少し変わりました。
だからこそ、生活防衛資金は
ただの貯金ではなく、
自分の選択肢を守るためのものなのだと思います。
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