最近、スーパーでレジを通ると思う事が、
沢山あります。
今までと同じように買い物をしても
出費が数千円も多い。
私はいつも、
基本的な1週間分の買い物を一度にして
足りない物だけ、間で買うようにしています。
そんな毎週の買い物の中で、
「また、値段が上がってる」
そう感じることが、本当に増えました。
私たちはいま、
物の値段が上がる世界を生きています。
考えてみると、これは不思議なことです。
ほんの少し前まで、
日本は「値段が上がらない国」でした。
子どもの頃に買っていたジュースの値段と、
大人になってから買うジュースの値段が、
ほとんど変わらない。
物価も、給料も、長いあいだ変わらない。
そんな国は、世界でも珍しい存在でした。
世界がインフレしていく中で、
日本だけが、止まった時間の中にいました。
物の価値はインフレするのが普通。
頭では分かっていても、
実際の生活の中でそれを感じると、
なんだか不思議な感覚を覚えます。
これが普通なんだよね。
そう思ったのと同時に、
私の中には少し引っかかるものがありました。
「これって、悪いインフレだよね」と。
同じ「物価が上がる」でも、
インフレには良いインフレと
悪いインフレがあります。
そして今の日本の物価上昇は、
「景気が良くなって起きたもの」とは、
少し違うように見えます。
今の値上がりの
大きな要因のひとつは、円安です。
円の力が弱くなり、
エネルギーも、原材料も、食料も、
海外から買うものの値段が上がっていく。
仕入れの値段が上がれば、
商品の値段も上げざるを得ません。
つまり、
買いたい人が増えたから
上がったのではなく、
単純に、
仕入れのコストが上がって値段が上がった。
これは、
コストプッシュ型と呼ばれるインフレです。
値段が先に上がり、
給料があとから追いかける展開になりやすい。
いわゆる、悪いインフレと言われる形です。
では、良いインフレとは何でしょうか。
・みんなの給料が上がる。
・使えるお金が増える。
・「欲しい」と思う人が増える。
そうなることで、
物の値段を上げても、
欲しい人の方が多くて物が売れる。
会社が儲かって、また給料が上がる。
需要が経済を引っ張っていく、
デマンドプル型と呼ばれるインフレです。
同じ「物価が上がる」でも、
中身はまったく違います。
最近は、給料も少しずつ上がり始めていますが、
物価の上がりに追いついている実感は、
まだ薄いのではないでしょうか。
値段が上がるから苦しいのではなく、
給料が追いついていないから苦しい。
さらに言えば、
給料が少し上がっても、
引かれる税金や社会保険料が大きく、
手取りはなかなか増えていきません。
それなら、
今のコストプッシュ型のインフレを、
デマンドプル型に変えていけばいい。
理屈の上では、そうなります。
でも、正直に言うと、
それは簡単ではないように感じています。
手取りが増えなければ、
国内でお金を使う力、
つまり、内需は強くなれません。
使えるお金に余裕のない世代も多い。
エネルギーや食料の多くを海外に頼り、
お金が外へ出ていきやすい。
そして何より、人口が減っていく。
「欲しい」と思う人の数そのものが、
これから少しずつ減っていく国です。
これは悲観したいわけではなくて、
私たちはそういう前提の上に立っている、
という話です。
ここまで考えて、
私はいつも同じ場所にたどり着きます。
国のインフレの形を、
私ひとりの力で変えることはできません。
賃金も、人口も、為替も、
私には動かせない。
でも、
自分の家計の形なら、変えることができます。
世の中には、
「変えられないもの」と
「変えられるもの」があります。
良いインフレが来るのか、
悪いインフレが続くのか。
それは「変えられないもの」です。
でも、
どちらが来ても慌てない形に、
自分の家計を整えておくこと。
それは「変えられるもの」です。
だから私は、
円資産だけでなく、
海外の資産も持つようにしています。
円安で物価が上がる国に住みながら、
その円安の恩恵を受ける側にも、
少しだけ回っておく。
少し皮肉な形ですが、
円が安くなっても、円が高くなっても、
全部を持っていかれることはありません。
未来を当てにいくのではなく、
どちらに転んでも続けていける形を、
少しずつ作っておく。
前にも少し触れたことがありますが、
結局、私にできるのは、
いつもそれくらいなのだと思います。
物の値段が上がる世界は、
もう始まっています。
その世界で、
変えられないものを嘆くのか、
変えられるものを整えるのか。
最近スーパーで買い物をしながら
そんなことを考えた話でした。
なぜ円安が起きるのか。
その仕組みについては、
こちらの記事で整理しています。
コストプッシュ型のインフレと、
デマンドプル型のインフレについては、
野村證券の解説も分かりやすいです。
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