株式投資には、
長期投資と短期投資
大きく分けると二つのやり方があります。
厳密には、その間の中期的なトレードも
存在しますが、大きく分けると二つです。
その違いは何かと聞かれると、
多くの人は、
「持っている時間の長さ」
と答えるかもしれません。
もちろん、それが正しいのですが。
私はこの時間の差で、
投資の性質自体が変わると思っています。
どういうことか。
それは、利益が、
「どこから来るのか」を考えると、
見えてきます。
今日はそんな株式投資の性質について
お話をしたいと思います。
長期投資の代表として挙げられる
S&P500やオルカンといった、
インデックス投資は、
その国の経済や世界全体の経済を、
丸ごと抱え込むような投資です。
このような投資で得る利益は、
どこから来るものを狙うのか。
それは、
世界の会社たちが、
長い時間をかけて
新しい価値を生み、利益を上げていくこと。
つまり、
世界の経済が成長し、
会社が、去年より多く稼ぐ。
その分だけ、
株を持っている人の取り分も、
増えていく。
そういった投資です。
これは、
誰かの財布から、
お金を奪ってくるわけでは、
ありません。
経済が成長して、
大きくなり続けるパイを、
指数を持っている人みんなで、
少しずつ、分け合っている。
そういう形です。
長い時間をかけて投資をするというのは、
言ってみれば、
この「分け合い」のテーブルに、
静かに座り続けること。
経済が成長する。
その追い風が吹くのを、
のんびりと、待っている。
そういうことなのだと思います。
では、
短期の売買は、どうでしょうか。
一日、あるいは数日、数週間で、
売って、買って、を繰り返す。
その利益は、
どこから来るのでしょうか。
ここが、
いちばん大事なところです。
五年、十年という長い時間なら、
会社や経済は成長し、
パイは大きくなります。
でも、
明日、来週といった短い時間では。
パイの大きさは、
ほとんど、変わりません。
成長という追い風が、
まだ追いついていない。
大きさの変わらないパイを、
参加者同士で、取り合う。
誰かが多く取れば、
その分、誰かが取り分を減らす。
短い時間の売買は、
こうした「奪い合い」に、
近づいていくのだと思います。
しかも、
その奪い合いには、
税金や、手数料もかかります。
売買するたびに、
パイは少しずつ、削られていく。
分け合いどころか、
全体で見れば、
だんだん目減りしていく。
そういう勝負なのかもしれません。
そして、
私が、いちばん引っかかるのは、
その「奪い合い」のテーブルに、
誰が座っているか、ということです。
同じ市場という場所に、
私も座っています。
でも、
向かいに座っているのは、
桁違いの資金を動かす、大きな機関。
それを専業として、
一日中、何年も、
相場を見続けてきた、プロたち。
持っているお金の量も。
積み重ねてきた経験も。
かけている時間も。
何もかもが、
私とは、まるで違います。
短い時間の奪い合いというのは、
つまり、
増えないパイを、
こうしたプロたちを相手に、
取り合う、ということ。
その人たちは、
本当に、すごいと思います。
短い時間の中で、
利益を上げ続けている人も、
いるのでしょう。
ただ、
私自身が、その席に座って、
資産も、経験も、
はるかに上の相手から、
限られたパイを、
奪い取り続けられるか、というと。
正直、難しい気がするのです。
だからこそ私は、
奪い合いのテーブルには、座らない。
ゆっくりと成長し続ける、
分け合いのテーブルに、
静かに座っていたい。
そう、思っています。
もちろん、
長期なら、何でもいい
というわけでは、ありません。
分け合いが成り立つのは、
あくまで、
「成長していくものを、持っている」
という前提です。
もし、
これから縮んでいくものや、
たった一つの会社に、
すべてを賭けて、長く持ち続けても。
その果実は、実らないかもしれません。
分け合うパイが、
そもそも、大きくならないからです。
だから私は、
一つの会社や、一つの国ではなく、
世界中に、広く分散した指数を選び、
経済全体が、
長い時間をかけて成長していくことに、
そっと、乗せてもらっています。
奪い合うのか。
分け合うのか。
長期と短期のいちばん大きな違いは、
持っている時間の長さだけではなく、
その利益がどこから生まれるのか。
そこにあるのだと、私は思っています。
短期寄りの売買を、
実際に自分で試してみて、
自分には向いていないと感じた話は、
別の記事に書きました。
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