先日、
生債券と債券ETFの話を書きました。
その記事の最後で、
実際に債券を持つときには、
「毎年、満期をずらしながら、
複数回に分けて買っていきたい」
そんなことを、少しだけ書きました。
今日は、その、
「毎年、満期をずらして買う」
という方法について、
もう少し、深掘りしてみたいと思います。
この持ち方には、
「ラダー」という名前がついています。
ラダーとは、
英語で「はしご」のこと。
たとえば、
一年後、二年後、三年後……と、
満期の時期を、少しずつずらして、
債券を持っていく。
すると、毎年、
どれか一つが、満期を迎えます。
満期が来たら、
また新しい債券を買って、
はしごの、一番上に、足していく。
一段ずつ、はしごを伸ばしながら、
目指す階へ、ゆっくりと昇っていく。
そんなイメージです。
なぜ、こんな持ち方をするのか。
その理由は、
一括で買う場合と、
比べてみると、見えてきます。
たとえば、
まとまったお金で、五年満期の債券を、
一度に、最大額まで買ったとします。
満期は、はっきり見えています。
五年後に、決まった金額が戻ってくる。
それは、安心です。
もし、これから金利が下がっていけば。
今の高い利回りを、
五年間、固定できたことになる。
「あのとき、一括で買って正解だった」
そう、思えるでしょう。
でも、それは。
結果論なのです。
金利が、これから上がるのか、下がるのか。
それは、買う時点では、
誰にも分かりません。
もし、上がっていったら。
五年間ずっと、
低いほうの利回りに、
縛られたまま、動けなくなります。
一括で買うというのは、
言ってしまえば、
「金利が下がるほうに賭ける」
ということ。
読めない未来に、
五年間、身動きの取れないまま、
賭けることに、なるのです。
私は、
未来を当てにいくのが、
あまり好きではありません。
だからこそ、
ラダーに、惹かれました。
たとえば5回に分けて持てば、
毎年、五分の一が、戻ってくる。
もし金利が上がっていれば、
戻ってきたお金を、
より高い利回りの債券に、
乗せ換えることができる。
下がっていれば、
すでに持っている、
長い満期の債券が、活きてくる。
どちらに転んでも、
毎年、対応できる。
そして、
ここが、私がいちばん、
安心だと感じるところです。
毎年、お金が戻ってくる、
その瞬間に。
立ち止まって、
考えることができます。
今、金利はどうなっているか。
安くなっている資産は、ないか。
自分の暮らしは、どうか。
それらを、ぜんぶ見渡したうえで。
戻ってきたお金を、
その年の状況に合わせて、
どう置くかを、決められる。
毎年、少しずつ。
自分の資産の置き方を、
見直していける。
たとえば、
株が大きく下がって、
資産の中で、債券の割合が、
増えすぎてしまった年があれば。
その年は、
債券に戻す分を、少し減らして、
安くなった株のほうに、
回すこともできる。
逆に、金利が魅力的な年なら、
いつもより、
少し厚めに、債券へ。
これが、もし、
一度買って動かせない形だったら。
世の中がどう変わっても、
ただ、満期を待つしかありません。
でも、ラダーなら。
毎年、世界の変化に合わせて、
自分の資産を、
少しずつ、整え直していける。
固定して、動かさないことの安心。
ではなく。
変わり続ける世界に、
合わせ続けられることの、安心。
私にとっての安心は、
後者であると気づきました。
ここまで読んで、
こう思った人も、
いるかもしれません。
「毎年、自由に動かしたいなら、
いつでも売れる、
債券ETFで、いいのではないか」と。
たしかに、
ETFなら、好きなときに売れます。
でも、ETFには、
「満期」がありません。
売るときの値段は、その時の市場しだい。
決まった金額が戻ってくる、
という保証は、ないのです。
ラダーで戻ってくるお金は、
満期を迎えた分。
市場がどうであれ、
いくら戻るかが、読めている。
同じ「動かせる」でも、
ここが、まるで違うのだと思います。
(生債券と債券ETFの違いについては、
前回の記事に、詳しく書きました)
ここまで書いてきましたが。
正直に言うと、私はまだ、
これを実行できるほどの資産を、
持っていません。
それに、今は、
働いて、給与があります。
だから、債券のような安心が、
どうしても必要かと言われれば。
今はまだ、
そうでもないのです。
それでも、私は。
今のうちから、
考えておきたいと思っています。
あと十年もすれば、
資産は、少しずつ、
増えていくでしょう。
そして、いつか必ず、
今のようには働けなくなる時が、来ます。
その日が、いつ来るのかは。
誰にも、分かりません。
増える前から、
増えた後のことを考えるのは。
気の早い話かもしれません。
でも、
投資に、出口の設計が必要なように。
人生にも、
出口の設計が、必要なのだと、
私は思っています。
その時が来てから、
慌てないために。
まだ、余裕のある今のうちに。
少しずつ、はしごを、
かけることができるように
準備しておきたいのです。
以前お話をした
債券と債券ETFの記事はこちらです。
・生債券と債券ETFの話|出口の見える安心感と手軽に売買できる安心感
将来の事を少しずつでも考えていく
それは難しい事ですが非常に大切だと思います。
出口が見えると、投資の見え方が変わるかも
私はそう思っています。
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