例えば
100万円を1年間預けて、
5,000円しか増えない銀行と、
35,000円増える銀行。
あなたなら、
どちらに大切なお金を預けるでしょうか。
おそらく、
多くの人が後者を選ぶと思います。
実は、この当たり前な答えこそが、
今の円安のヒントになっています。
■円安の原因とは
では、
なぜこれだけ円安が進んでいるのでしょうか。
金利差による円安
一番シンプルな答えは、
まさにこの違い、つまり金利差にあります。
2026年5月現在の政策金利は、
おおよそ
日本が約0.75%、
一方でアメリカは3.5〜3.75%。
銀行の金利はそれぞれ違いますが、
その基準となっているのが政策金利です。
日本で100万円を預けても、
増えるのはごくわずかです。
一方で、
アメリカでは数%の金利がつくこともあり、
同じ100万円でも、
数万円単位で増えることもあります。
これが、
今現実に起きていることです。
先ほどの「当たり前の選択」を、
世界中の投資家や企業が、
同じように行っています。
それが、
今の円安の正体です。
為替は難しそうに見えますが、
実はとてもシンプルです。
お金は、水のようなもの。
より増える場所へ、
自然と流れていきます。
日本に置いていても増えないのであれば、
円をドルに替えて、
アメリカで運用した方が有利です。
多くの人が円を売ってドルを買うため、
ドルの価値は上がり、
円の価値は下がっていきます。
ドルに替えるには手数料もかかります。
それでもなお、
ドルへ資金が流れるほど、
今の金利差は大きいのです。
NISAでも円安が進む?
そして、
円安の要因はこれだけではありません。
実は、
私たちが日々行っている投資も、
少なからず関係しています。
新NISAで、多くの人が購入している
オルカンやS&P500。
私たちは円で積み立てていますが、
その裏側では円をドルに換えて運用されています。
つまり、
円を売ってドルを買い、
商品を購入しているのです。
一人ひとりの金額は小さくても、
この積み立ては毎月、
継続的に行われています。
ちょっとしたサブスクでも、
数年続けば大きな出費になるのと同じように、
この流れも、
円安を進める一因になっていると感じています。
輸出国から輸入国へ
そして、
サブスクも同じです。
YouTubeやNetflixといったサービスの支払いも、
最終的にはドルで海外へ流れていきます。
私たちの生活は、
気づかないうちに、海外のサービスやインフラに支えられているのです。
かつての日本は、
家電や自動車などを海外に多く輸出し、
ドルを稼いでいました。
そのドルを円に替え、
従業員に給料を払い、
国内に新しい工場を建てていく。
自然と、
「円を買う動き」が生まれていたのです。
しかし、今はどうでしょうか。
エネルギーの多くを海外に頼り、
スマートフォンやパソコンを購入し、
デジタルサービスの利用料を支払う。
工場も海外で建て、
かつては、日本で払っていた給料も
今は現地で外貨で払われるようになっています。
稼いで円に戻す国から、
生活のために円を外へ出す国へと、
構造が変わってきています。
こうしたいくつもの要素が重なり、
円安は進んでいます。
■円安を止める方法はあるのか
金利を上げる
では、
金利を上げれば、
円安は解決するのでしょうか。
シンプルに考えれば、
答えは「はい」です。
日本もアメリカのように
金利を上げれば、
円安は止まるかもしれません。
しかし、
そこには大きな「痛み」が伴います。
もし今、急に金利を上げれば、
住宅ローンを抱えている人、
車をローンで購入している人、
そして資金を借りている
多くの中小企業の負担が、
一気に増えてしまいます。
つまり、
「円安を止めるために金利を上げたい。
でも、上げれば生活が苦しくなる。」
そんな難しい選択を
迫られることになります。
さらに、
金利を上げにくい理由は、
私たちの生活だけではありません。
日本政府そのものも、
多額の借金(国債)を抱えています。
もし金利を1%引き上げれば、
国が支払う利子は、
何兆円という単位で増えてしまいます。
その負担は、
増税や、
教育・福祉などの予算削減という形で、
私たちに返ってくるかもしれません。
まさに、
あちらを立てればこちらが立たず。
今の日本は、
そんな袋小路のような状況に
あるのだと思います。
為替介入
最近よく耳にする「為替介入」。
これは、日本政府が円を買うことで、
円高へと進めようとする政策の一つです。
確かに、
一時的には効果があります。
しかし、
金利差といった根本的な要因が変わらない限り、
円からドルへ資金が流れる
大きな流れを止めることは難しいと考えられます。
では、
為替介入は意味がないのでしょうか。
そうとも言い切れません。
円があまりにも安くなりすぎると、
日本が為替介入を行う。
この事実そのものが抑止力となり、
過度な円売りを防ぐ役割を
果たしている側面もあります。
■私たちはどうすればいいのか
では、
そんな今の日本で生活する私たちは、
どうすればいいのでしょうか。
答えは少し皮肉ですが、
円資産だけではなく、
ドル資産も持つことだと考えています。
円高になれば、
物を安く買うことができます。
円安になったとしても、
ドル資産の価値が円ベースで増えていれば、
大きな不安にはなりにくい。
どちらに振れても、
受け止められる形を作っておく。
為替は、生き物だと言われます。
だからこそ、
先を正確に当てようとするのではなく、
その流れの中でも
落ち着いていられるように、
資産を整えておくことが
大切なのだと思います。
どちらに転んでも、
続けていける形を持つこと。
それが、今の私たちにできる選択だと思います。
私は、米国の高配当ETFを持つことで、
円安時には円ベースでの配当が増えます。
円安で輸入品の物価が上がる状況でも
それが、少しの安心に繋がっています。
私が、円安の一因だと感じている
インデックス投資(S&P500やオルカン)
なぜインデックス投資は、
長期的に上がり続けているのでしょうか。
その仕組みについて、
自分なりに考えてみました
・インデックス投資は、なぜ上がり続けるのか|80億人が動かす経済の正体
※円安・円高の基本的な仕組みについては、
こちらの記事でも分かりやすく解説されています。
円安・円高とは?為替の仕組みを知る|メットライフ生命
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